どうも、porukaです。
今回は、合成写像、恒等写像について例題も含めて解説をして行きたいと思います。
合成写像
合成写像の定義は、
写像$f:X\rightarrow Y$,$g:Y \rightarrow Z$があるとき、
$(g \circ f)(x) = g(f(x))$
をfとgの合成写像という。
恒等写像
ある写像について、
$h:X \rightarrow X$
となる場合、恒等写像という。*恒等写像は必ず全単射である。
包含写像
集合$X$と部分集合$A \subset X$ について、ある写像について、
$h:A \rightarrow X$
となる場合、包含写像という。*包含写像は必ず単射であるが、全射とは限らない。
では例題へ
すべての例題において、写像$f:X\rightarrow Y$, $g:Y \rightarrow Z$とする。
例題①
(1)$f,g$がともに全射であるならば、$ g \circ f$ も全射である。
「証明」
$\forall z \in Z について、g が全射より、$
$\exists y \in Y s.t. g(y) = z$
$そのyに対して、fが全射より、$
$\exists x \in X s.t. f(x) = y$
よって、
$g \circ f(x) = g(f(x)) = g(y) = z $
したがって、$g \circ f $は全射である。
「証明終わり」
例題②
(2)$f,g$がともに単射であるならば、$ g \circ f$ も単射である。
「証明」
$\forall x_1,x_2 \in X $について、$f $が単射より、
$x_1 \neq x_2 \Rightarrow f(x_1) \neq f(x_2) $
が成立する。
ここで、
$f(x_1),f(x_2) \in Y$ で、$g$が単射より、
$f(x_1) \neq f(x_2) \Rightarrow g(f(x_1)) \neq g(f(x_2))$
よって、
$x_1 \neq x_2 \Rightarrow g \circ f(x_1) \neq g \circ f(x_2)$
が成立するため、$g \circ f$ は単射。
「証明終わり」
例題③
(3)$ g \circ f $が全射ならば、$g$は全射である。
「証明」
$ g \circ f $が全射より、$\forall z \in Z $に対して、
$ \exists x \in X s.t. g \circ f(x) = z$
となる。
このとき、$ y = f(x) \in Y $ であることから、
$g \circ f(x) = g(f(x)) = g(y) = z $
よって、$\forall z \in Z$に対して、
$\exists y \in Y s.t. g(y) = z$
となり、$g$は、全射である。
「証明終わり」
例題④
(4)$ g \circ f $ が単射ならば、$f$は単射である。
「証明」
$g \circ f$ が単射であるから、$ \forall x_1,x_2 \in X$ について、
$x_1 \neq x_2 \Rightarrow g \circ f(x_1) \neq g \circ f(x_2)$
となる。
このとき、$f(x_1)、f(x_2) \in Y $について、$f(x_1) = f(x_2) = y$を仮定する。
そうすると、
$g \circ f(x_1) = g(f(x_1)) = g(f(y))= g (f(x_2)) = g \circ f(x_2)$
よって、矛盾する。
以上から、$f(x_1) \neq f(x_2)$ となる。
よって、$ \forall x_1,x_2 \in X$ について、
$x_1 \neq x_2 \Rightarrow f(x_1) \neq f(x_2)$
となり、$f$は単射である。
「証明終わり」
例題は以上で終わりです。これらの例題をマスターすれば、合成写像に関しては、ばっちり理解出来ているので、頑張りましょう!!